Scratchとは

Scratch(スクラッチ)は、プログラミング初心者や子ども向けに設計されたプログラミング言語です。
スクラッチ財団と世界大学ランキングで上位にランクインするマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが共同開発しています。

専門的な知識がなくてもプログラミングが可能で、視覚的な要素を使ってプログラムを作成することができるのでビジュアルプログラミング言語に分類されます。
あらかじめ用意された色と形の異なるブロックをマウスを使って組み合わせることでプログラムを作成できます。

そのため、Scratchはプログラミングの第一歩として人気があり、小学校をはじめとする各教育機関やプログラミング教室などで幅広く採用されています。

Scratchの操作画面

Scratchが子どもや初心者向けプログラミングでよく使われる理由

Scratchが子どもや初心者向けプログラミングでよく使われる理由について4つ紹介します。

誰でも無料で気軽に使える

Scratchは誰でも無料で使えるプログラミング言語です。
費用がかからないため、とりあえずプログラミングを試してみたいと思っている子どもや初心者にぴったりの言語といえます。

また、一部の機能は制限されてしまいますが、ユーザー登録をしないでブラウザ上やアプリケーションをダウンロードし、Scratchを体験することができます。

導入のハードルが低いという点が多くの教育機関やプログラミング教室で採用されている理由の一つになっています。

日本語で学べる

全てのメニュー、ブロックの名称や説明が日本語化されており、使いやすい環境が整っています。

実際の開発現場で使われているテキストプログラミング言語の多くは英語ベースで記述をする必要があります。
また、参考書も英語で記載されているものも存在するためプログラミング能力の他に英語力も一定、必要になります。

直感的(感覚的)な操作

視覚的な要素がそのままプログラムの構造を反映するため、どの部分がどう動作するかを視覚的に把握しやすいです。これにより、プログラムの不具合を見つけたり、修正が容易に行えるようになっています。

Scratchでできること

ブロックを組み合わせて、プログラミングを行うScratchでできることを3つ紹介します。

子どもがScratchを操作

ゲームやアニメーション制作

Scratchは、簡単な2Dゲームを作成するのに適しています。キャラクター(スプライト)を動かし、障害物を避ける、スコアをカウントするなどのゲームロジックを簡単に組み立てられます。

また、キャラクターを動かし、背景を変化させることでアニメーションを作成できます。タイミングや効果音を加えることでストーリー仕立ての作品も作ることも可能です。

プログラミングの基礎を学べる

プログラミングの基本となる考え方に、「順次処理」「分岐処理」「反復処理」があります。Scratchでも基本的にこの3つの処理を組み合わせてプログラミングを行っていくので、アニメーションやゲームの作成をしているうちに自然とプログラミングの基礎を学ぶことができます。

他のユーザーとコミュニケーションが取れる

Scratchのコミュニティを通じて、自分の作品を他のユーザーと共有したり、他の人の作品を改良・発展させることもできます。

Scratchのコミュニティ※ユーザー登録が必要をしないと利用できない機能があります。

Scratchでできないこと

よく使われるプログラミング言語のScratchですが、できないことがあります。
Scratchでできないことについて2つ紹介します。

ソースコードの記述

ソースコードのイメージ

Scratchは「ビジュアルプログラミング言語」に分類されているので、実際の開発現場で使われているキーボードを使ったテキストプログラミングで使用されるソースコードの記述ができません。

もしテキストプログラミングを行いたい場合は、Scratchで学んだプログラミングの基礎概念を活かしてテキストプログラミングに挑戦してみてください。

スマホ用アプリやコンシューマーゲームの開発

Scratchは、教育目的で設計されたビジュアルプログラミング言語のため、ブラウザ上やデスクトップアプリの「Scratch」のみで動作します。
スマートフォン用のアプリケーションやコンシューマーゲームの開発を行いたい場合はアプリケーションやゲーム開発に適したテキストプログラミング言語を学ぶのがおすすめです。

Scratchを使うメリット

子どもや初心者でも扱えるScratchのメリットを5つ紹介します。

論理的思考力のイメージ

論理的思考力が養える

論理的思考力は、「物事を体系的に整理して筋道を立て、考える能力」のことです。

Scratchでは、命令の書かれたブロックを正しい順序で組み合わせることで思い通りの動作を実現することができるので、ゲーム制作やアニメーション制作を通して楽しみながら論理的思考力を養うことができます。

問題解決能力が養える

問題解決能力は言葉通り、「問題が起こった原因を特定し、適切な解決手段を実行し、問題を解決する能力」のことです。

Scratchに限りませんが、プログラミングを行っていると、思った通りに動作しないことが多々あります。この原因の特定と解決手段を試行錯誤するのは子どもや初心者にとって、少しハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、Scratchではブロックの追加や入れ替えを簡単にできるので、思いついた解決方法をすぐに試したり、別の方法に変えて試すことが容易に行えます。

問題を解決する異なる方法を繰り返し試すうちに、問題解決能力を養うことができます。

創造(想像)力を養える

Scratchでは自由な発想でゲームやアニメーション制作を行えます。
頭の中にある想像(イメージやアイデア)を実際に作品として作り出す(創造)ことを繰り返し行うことで創造(想像)力を養うことができます。

テキストプログラミング言語への移行の架け橋となりえる

Scratchはビジュアルプログラミング言語です。
今後、実際に開発現場で使われているテキストプログラミング言語を扱う際も、難しそうだと感じてしまうかもしれませんが、ソースコードを記述するかしないかの違いがあるだけでプログラミングの考え方は共通しています。

そのため、スムーズにテキストプログラミング言語へ移行できます。

プログラミング以外に身につくことがある

マウス操作

Scratchでは主にマウスを使ってプログラミングを行うので、マウスの基本操作である、「クリック」や「ドラッグ&ドロップ」などをプログラミングを通して身につけることができます。

また、一部のブロックでは小学校では習わない負の数(マイナス)や座標の知識が必要になります。これらもゲームやアニメーションの制作を通して楽しく身につけることができます。

Scratchを始めるのに必要なもの・環境

これからScratchを始めるのに必要なものや環境について説明します。

パソコン又はタブレットとインターネット環境があればOK!

Scratchは基本的にはパソコン又はタブレットとインターネット環境があればすぐにでも始められます。Scratchの公式HPの
よくある質問と答えに動作推奨環境について記述があるので、ご自身の環境を確認してみてください。

また、Scratchはウェブブラウザ上で動作させるため、インターネット回線が必要になります。
オフラインでも使用できるダウンロード版もありますが、こちらもダウンロードする際にインターネットが必要です。

また、ダウンロード版の場合、「Scratchでできること」で紹介した他のユーザーとコミュニケーションを取る機能が使えないので注意が必要です。

スマートフォンはダメ?

スマートフォンでも、Scratchを使ってプログラミングを体験することはできますが、表示される領域が小さく、拡大・縮小や画面移動をする必要があり、プログラミング以外の部分のハードルが高くなってしまうのでおすすめしません。

スマートフォンでScratch

スマートフォンでScratchを開くと上の画像のように、
縮小しても画面が見切れてしまっている。

Scratchでプログラミングをするときはパソコンやタブレットを使って、プログラミングを体験してみてください!

まとめ

ここまでScratchについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回紹介したScratchは、無料で気軽に使えるビジュアルプログラミング言語なので、これからプログラミングを始めたいと思っている子どもや初心者にぴったりの言語だと思います。

Scratchからまずは1歩、プログラミングの世界に足を踏み入れてみませんか?

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今後とも「Re:ProS(レプロス)」をよろしくお願いいたします。

投稿者 鈴木佑基

愛知県豊川市出身
中部大学大学情報工学科卒
ネットイーグル株式会社にて7年間セールスエンジニア業務に従事
現職の株式会社レクトを設立し、講師&営業&総務業務を担当
豊川市を盛り上げます!