Scratch(スクラッチ)は、プログラミング初心者や子ども向けに設計されたプログラミング言語です。
誰でも無料で使えるScratchですが、何を準備したらいいのか?どんなことができるのかわからないことが多いと思います。
本記事では、Scratchの始め方について詳しく解説していきます。
目次
Scratchを始めるために必要なもの・環境
パソコン(タブレット)
Scratchを始めるのに、パソコン(タブレット)が必要です。
公式サイト記載されている必要なブラウザの動作環境は、以下のようになっています。
- デスクトップ
- Chrome (バージョン63以上)
- Edge (バージョン15以上)
- Firefox (バージョン57以上)
- Safari (バージョン11以上)
- タブレット
- Mobile Chrome (バージョン63以上)
- Mobile Safari (バージョン11以上)
出典: よくある質問と答え
動作環境についてよくわからない場合は、普段の操作で動作が重くないパソコン(購入してから4~5年以内が目安)であれば問題なく動作すると思います。
また、本記事ではパソコンの使用を推奨しているので、説明はパソコンの操作に沿って行います。タブレットを使用する方は「クリック」を「タップ」など読み替えてください。
スマートフォンは非推奨
スマートフォンでも、Scratchを使ってプログラミングを体験することはできますが、表示される領域が小さく、拡大・縮小や画面移動をする必要があり、プログラミング以外の部分のハードルが高くなってしまうので本記事では推奨していません。

スマートフォンでScratchを開くと上の画像のように、縮小しても画面が見切れてしまいます。
Scratchでプログラミングをするときはパソコンやタブレットを使って、プログラミングを体験してみてください!
インターネット環境
Scratchはウェブブラウザ上でプログラミングをしたり、使用する条件によってソフトのダウンロードをする必要があるのでインターネット環境が必要になります。
Scratchはウェブブラウザ上で使用するオンライン版とダウンロードして使用するオフライン版があります。
また、オンライン版、オフライン版もそれぞれ使用する条件によって必要なものが変わるので、違いについて次の項目で詳しく解説します。
オンライン版/オフライン版の概要と始め方
オンライン版(Scratchアカウントあり)
概要
Scratchの全機能が使えるバージョンです。ブラウザ上で作った作品は自動的に保存されるので、間違って時間をかけて作った作品を消してしまう恐れが少ないです。
また、Scratchのコミュニティに参加できるので、自分の作品を公開してコメントをもらったり、他の人の作品を触ってコメントできるだけでなく、ブロックの中身を確認して自身の作品の参考にすることも可能です。
Scratchを継続的に利用し、他の人とのコミュニケーションを楽しみたい人におすすめのバージョンです。
オンライン版(Scratchアカウントあり)を使用する年齢によっては以下の3点に注意が必要です。
- 常にインターネットに接続する必要がある
- Scratch以外のサイトにもアクセスできてしまう
- 知らない人とコミュニケーションが取れてしまう
始め方
- Scratch公式サイトにアクセス
- Scratchアカウントに登録
- 「Scratchに参加しよう」をクリック
- ユーザー名とパスワードを入力
- 使用できる文字は英数字、ハイフン(-)、アンダーバー(_)のみ
- 文字数は3文字以上、20文字以下
- ユーザー名に本名は使わない
- 住んでいる国を選択
- 誕生日を選択
- 性別を選択
- メールアドレスを入力 → 「アカウントを作成する」をクリック
- このメールアドレスにアカウント認証のメールが届きます
- メールアドレスはパスワードを忘れてしまった際に、必要になります
- これで登録完了です! → 「はじめよう」をクリックしてScratchのTOPに戻る
- 最後に忘れずにメールアドレスの認証を行う!
- 登録したメールアドレスに以下のようなメールが届くので、「アカウントを認証する」をクリックします。
- 認証をしないと、以下の注意文がScratchログイン後に表示され、共有機能などが使えません。
- 登録したメールアドレスに以下のようなメールが届くので、「アカウントを認証する」をクリックします。
- 「Scratchに参加しよう」をクリック
- 「作る」をクリックして、Scratchでプログラミングを始める!
オンライン版(Scratchアカウントなし)
概要
Scratchのオンライン版(Scratchアカウントあり)で使えていた一部機能が制限されたバージョンです。ブラウザ上で動作するのは変わりませんが、アカウントを作成する必要がないので、手軽にプログラミングを始めることができます。
この自動保存機能や共有、コメントなどオンライン版でしかできない機能が制限されているので、Scratchがどんなものか試してみたい方におすすめのバージョンです。
Scratchオンライン版(アカウントなし)を使用する年齢によっては以下の2点に注意が必要です。
- 常にインターネットに接続する必要がある
- Scratch以外のサイトにもアクセスできてしまう
始め方
- Scratch公式サイトにアクセス
- 「作る」をクリックして、Scratchでプログラミングを始める!
オフライン版
概要
Scratchをオフラインの状態で使用できるバージョンです。オフラインのため、パソコンやタブレットにScratchをダウンロード/インストールすることで動作します。
Scratch使用時にインターネットに接続しないので、自動保存機能や共有、コメントなど一部機能が制限されています。
子どもをインターネットによる危険性から守りながらScratchでプログラミングを行いたい方におすすめのバージョンです。
始め方
- 公式サイトのダウンロードページにアクセス
公式サイトのTOPページ一番下にある「ダウンロード」からもアクセスできます。 - お使いのパソコンやタブレットのOSを選択(Windows / macOS / ChromeOS / Android)
- 2.で選択したOSに対応したストアからダウンロード&インストールを行う
ストアごとのダウンロード&インストール方法についての説明は省略します。
(WindowsOSとmacOSの場合)直接ダウンロードでもOK! - Scratchアプリケーションを起動して、プログラミングを始める!
Scratchの基本操作
ここまでで、Scratchを始める準備が整いました。ここからはScratchの画面や基本操作について説明していきます!
この説明はオンライン版(Scratchアカウントあり)の画面で説明していきます。
操作がバージョンによって異なる部分については追加で説明をします!
Scratchの画面説明
Scratchの画面について簡単に説明します。

Scratchでプログラミングをするときに主に使うのは、以下の4つです!
- ブロックパレット
Scratchでは命令の書かれたブロックを組み合わせることでプログラミングを行います。ブロックはこのブロックパレットから選択し、コードエリアに配置することでプログラムの作成が行えます。
- スクリプトエリア
ブロックを配置する場所です。プログラムはこのスクリプトエリアに配置されたブロックの順番や種類、組み合わせによって動作が変わります。
- ステージエリア
作成したプログラムの動作を視覚的に確認できるエリアです。
- スプライトリスト
スプライトステージエリアに配置されている様々なキャラクターやものはここで追加したり、変更を行います。
動かすスプライトを選ぶ
Scratchを起動すると、はじめからネコのスプライトが配置されています。追加でプログラミングで動かしたいスプライトがあれば、スプライトリストのスプライトを選ぶから、スプライトを追加します。

スプライトの一覧が表示されるので、配置したいスプライトをクリックします。

選択した、Baseballがステージエリアに表示されました!

間違えてスプライトを追加した場合は、スプライトリスト内にあるスプライト右上のゴミ箱マークをクリックすると削除することができます。

背景を選ぶ
ステージエリアの背景の変更方法について説明します。
背景はスプライトリストの背景を選ぶから背景を変更することができます。

ステージの一覧が表示されるので、変更するステージを選択します

選択した、Baseball2がステージエリアに反映されました!

実際にプログラミングをやってみよう
ここから実際にプログラミングを行っていきます!
スプライトの選択
Scratchではスプライトごとにブロックを配置することで、そのスプライトに対してプログラムの作成が行えます。
今回はネコ(スプライト1)をプログラミングで動くようにしてみます。
スプライトリストにあるネコ(スプライト1)をクリックして選択します。

スクリプトエリア右上に選択したスプライトが表示されたらOK!
ブロックの配置
ブロックパレットにあるブロックをドラッグ&ドロップでスプライトエリアに配置します。
※ドラッグ&ドロップ 対象を左クリックして、任意の位置で離すこと。
今回は10歩動かすをスクリプトエリアに配置します。

ブロックの削除
削除したいスクリプトエリアにあるブロックをドラッグ&ドロップでブロックパレットに戻すとブロックを削除することができます。

ブロックを組み合わせる
Scratchのブロックはパズルのように凹凸がついていて、組み合わせ出来るブロックが決まっています。これを何個も組み合わせることで、プログラミングが行えるようになっています。

例えば、緑色の旗が押されたときと10歩動かすを正しく組み合わせると下の図のようになります。

組み合わせたブロックを分解する
間違えてブロックを組み合わせてしまった場合は、分解することができます。
分解したいブロックをドラッグ&ドロップで他の場所へ移動させることで、ブロックを分解することができます。
このとき、選択したブロックより下のブロックは一緒についてきます。

作ったプログラムを動かす/止める
作ったプログラムを動かすにはステージエリア左上にある緑色の旗をクリックすることでプログラムが動作します。


このようにプログラムの内容に合わせてステージエリアのスプライトが動きます。
もし、意図していない動作をしていれば、プログラムの内容を見直してデバッグ(不具合を見つけて修正すること)してみよう!
プログラムを止めるときはステージエリア左上にある赤色の正八角形をクリックすることでプログラムの動作を止めることができます。

Scratchを中断するとき
Scratchを中断するときは、バージョンによって方法が異なります。
使っているバージョンに合わせて中断しないと、今まで作ったプログラムが消えてしまうので注意してください!
オンライン版(Scratchアカウントあり)
オンライン版(Scratchアカウントあり)のバージョンは中断するのが簡単で、以下の手順のうち1つを実行した後にブラウザを閉じることができます。
画面右上の「直ちに保存」をクリック

ブラウザのサイズが小さいと隠れている場合があるので、ブラウザを最大化してください
既に保存済みの場合、ボタンは表示されません。
「ファイル – 直ちに保存」をクリック

オンライン版(Scratchアカウントなし)
オンライン版(Scratchアカウントなし)のバージョンは中断する時は作成したScratchのプログラミングデータを保存する必要があります。以下の手順を実行した後にScratchを終了することができます。
「ファイル – コンピューターに保存する」をクリック

保存したScratchのデータはScratchのプロジェクト.sb3という名前のファイルで、ダウンロードファイルの中に保存されています。

Scratchのデータは、拡張子が(.sb3)ファイルです。
作ったプログラムの内容が分かるようにファイルの場所を変えたり、名前を変更して保存してください。
オフライン版
オフライン版のバージョンは中断する時は作成したScratchのプログラミングデータを保存する必要があります。以下の手順を実行した後にScratchを終了することができます。
「ファイル – コンピューターに保存する」をクリック


オフライン版は、保存するときに保存する場所とファイル名を変更できます。
作ったプログラムの内容が分かるようにファイルの場所を変えたり、名前を変更して保存してください。
Scratchを再開するとき
Scratchを再開するときは、バージョンによって方法が異なります。
オンライン版(Scratchアカウントなし)/オフライン版は中断時に保存したファイルが必要です。
オンライン版(Scratchアカウントあり)
オンライン版(Scratchアカウントあり)のバージョンは再開するのが簡単で、以下の手順を実行すると前回の続きからプログラミングを行えます。
「プロフィール – 私の作品」をクリック

再開したいプロジェクトの「中を見る」をクリック

これで前回の続きからプログラミングを行えます!

オンライン版(Scratchアカウントなし)/オフライン版
オンライン版(Scratchアカウントなし)/オフライン版のバージョンで再開する時は中断時に保存したプロジェクトファイル(拡張子が.sb3)を読み込むことで再開することができます。
「ファイル – コンピューターから読み込む」をクリック
※画面はオフライン版です。

再開する「Scratchのプロジェクトファイルを選択 – 開く」をクリック

これで前回の続きからプログラミングを行えます!

困ったらチュートリアルも見てみよう
Scratchにはチュートリアルが用意されています。プログラミング中に困ったことがあれば、チュートリアルも見てみよう!
チュートリアルはScratch上部にあります。

まとめ
ここまでScratchの始め方ついて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回紹介したScratchは、無料で気軽に使えるビジュアルプログラミング言語なので、これからプログラミングを始めたいと思っている子どもや初心者にぴったりの言語だと思います。
Scratchからまずは1歩、プログラミングの世界に足を踏み入れてみませんか?
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